ASUSのZenBook 14をメーカーからお借りしたので特徴や性能について詳しくご紹介します。
従来の13型クラスの大きさながら、14型の大画面を搭載した薄型ノートパソコン。
転送速度の速いストレージと専用グラフィックスとしてGeForce MX250を搭載、そして斬新なタッチパッドが特徴的な1台です。
仕事はもちろん、プライベートでも使いやすいノートパソコンを探している方は、ぜひご覧ください。
目次リンク
ASUS ZenBook 14の概要

ZenBook 14がどういったパソコンなのか、基本的なスペックからご紹介します。
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは3,780でした。

ExcelやWordなどの事務作業はもちろん、写真や動画の編集といったクリエイティブ用途でも活躍する1台です。
スペック
CPUやストレージ容量など、パソコンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i5-8265U |
GPU | GeForce MX250 |
メモリ | 8GB(LPDDR3-2133) |
ストレージ | M.2 SSD 512GB |
それぞれの項目について詳しくご説明します。
製品版とは仕様が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
CPU
CPUは第8世代のCore i5で、薄型ノートパソコンによく使われる末尾に「U」を冠したモデルです。
詳しいスペック面は、CPU-Zの結果をご覧ください。

省電力が特徴のCPUながら、4コア8スレッドと幅広い用途で活躍する実力を備えています。
主なノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。

ゲーミングノートなどに使われる、末尾に「H」を冠したモデルとはさすがに差があるものの、一般的な用途で考えれば十分な性能です。
GPU(グラフィックス)
薄型ノートパソコンの場合、CPUに内蔵されたグラフィックス(Intel UHD Graphics620など)が使われることが多いです。
その点、ZenBook 14は専用グラフィックスのGeForce MX250を搭載。
写真や動画の編集など、パソコンに負荷のかかるクリエイティブ用途でもパワフルに動いてくれます。
GPU-Zの結果は以下の通り。

主なグラフィックスとベンチマーク結果(Fire Strike)を比べてみました。

ゲーミング用途のGTX1650には敵いませんが、CPU内蔵型のUHD Graphics620と比べれば約3倍の性能です。
ストレージ
ストレージは転送速度の速いM.2 SSDが使われていて、容量は512GB。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックしたところ、読込速度は1,700MB/sを超えました。

今までメインストレージがHDDだった方だと、目に見えてパソコンの起動が速くなります。
HDDや一般的なSSD(SATA)の平均的な転送速度と比べると、以下の通り。

HDD特有のカタカタカタ・・・という駆動音もしないため、非常に静かです。
「512GBではストレージが足りない!」
という方は外付けのHDDやSSDを購入するか、Dropboxなどのクラウドストレージを活用しましょう。
ラインナップ
ZenBookの主なラインナップは以下の通り。
パソコンの仕様や価格は変動するので、最新情報は都度公式サイトにてご確認ください。
モデル | CPU | GPU | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
ZenBook 14 | Core i5-8265U | GeForce MX250 | 8GB | 144,500円〜 |
ZenBook 14 | Core i7-8565U | GeForce MX250 | 16GB | 183,500円〜 |
ZenBook 15 | Core i7-8565U | GeForce GTX1650 | 16GB | 222,500円〜 |
価格より性能を優先したい方は、15インチでGTX1650を搭載したZenBook 15がおすすめ。
クリエイティブ用途はもちろん、軽めのゲームならサクサク動かせるハイスペックマシンです。
ZenBook 15について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

外観・大きさ
ここからはZenBook 14の外観を見ていきます。

メタリックブルーの天板にASUSのロゴのみ、というシンプルなデザイン。
アルミのボディは中心から円を描くようなヘアライン仕上げで高級感があります。
さらに、米国防総省が定める米軍資材調達基準のMIL-STD-810G規格も取得、振動や衝撃などに強いボディです。
ただ、汚れが少し目立ちやすい材質なので、気になる方はこまめに拭きましょう。
一般的なA4クリアファイルと重ねてみました。

仕様上の大きさは約319×199mmで、A4サイズの書類を入れられるカバンなら楽々収納できるサイズ。
分厚さも16.9mmと、かなりスリムです。
底面はパソコン内部の熱を逃がすために、一部メッシュ状になっています。

裏蓋は特殊なねじが使われているため、一般的なドライバーでは開けられません。

専用ケースも付属しているので、持ち運ぶときに便利です。
ACアダプター

ACアダプターは65Wの非常にコンパクトなものが付属しています。
小さくて軽いので、パソコンと一緒に持ち歩いても苦にならないでしょう。
重量
パソコン単体の重量は実測で約1.3kg、ACアダプターが加わっても約1.5kgと恐ろしく軽いです。


このくらいの重さなら、外回りや出張が多い方も安心です。

腕力に自信がない方でも、片手で楽々持ち運べる重さです。
インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。
まずは右側面から。

- ヘッドホン/マイクジャック
- USB 2.0
- microSDカードリーダー
写真データを取り込むことが多い私としては、SDカードリーダーを搭載してほしかったです。

- ACアダプター
- HDMI
- USB 3.1 Gen2
- USB 3.1 Gen2(Type-C)
外付けのHDDやUSBメモリなどをつなげるときは、転送速度が速い左側のUSBポートを使いましょう。
キーボード

キーボードはテンキーなしの日本語配列。
右下に配置されている上下左右のストロークキーがかなり小さいため、慣れるまでは苦労しそうです。
キーストロークは少し浅く感じますが、キーピッチは実測で約18mmと標準的。
小型のパソコンながら、キーボードの打ちにくさは感じません。

バックライトも搭載しているので、暗い場所で作業するときも打ち間違いを防げます。
明るさは3段階で調整できます。
斬新なタッチパッド

ZenBook 14には個性的なタッチパッドが搭載されています。
一般的なタッチパッドとして使えるのはもちろん、小型のタブレットのような使い方も可能。


テンキーや手書きパッドとして使えたり、特定のアプリをワンタッチで立ち上げるなど、さまざまな用途に使えます。
機能のON/OFFはパッド右上のボタンで制御できるほか、F6キーでも簡単に切り替え。
今後はこういったモデルが一般的になっていくのかもしれませんね。
ただ、最新技術に触れたい人にはおすすめですが、「なんだかややこしい・・・」と感じてしまう人も少なからずいそうです。
タイピング中に誤操作が発生することもあったため、好みが分かれるポイントになりそう。
キータイプ音
キータイプ音は比較的静かなパタパタ系。
カチャカチャと響くような音はしないので、静かな場所でも落ち着いて作業できます。
40秒ほどの動画を作成したので、タッチパッドの動作とあわせてご覧ください。
ディスプレイ

ディスプレイは14インチのフルHD(1,920×1,080)解像度。
ツヤツヤの光沢仕様できれいな発色ですが、作業環境によっては蛍光灯などが映り込みやすいです。
ボトルガムがくっきり映り込んでいるのが伝わるでしょうか。
マットな見た目が好みな方は、量販店などでつや消しタイプの保護シートを買いましょう。

ディスプレイはここまで開きます。
ノートパソコンスタンドを使う方だと、もう少し開いてほしいと感じるかもしれません。
ナローベゼルを採用
ZenBook 14はディスプレイのふちが狭い、ナローベゼル仕様。
実測で左右は約6mm、上部は約8mmでした。


ナローベゼルのパソコンは見た目がきれいですし、作業にも集中しやすくなります。
色域は十分広い

i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:90.4%
- AdobeRGB比:67.9%
薄型ノートパソコンとして考えると、色域はかなり広いです。
厳密な色管理を求められるデザイナーやフォトグラファーの方が仕事で使うときは、カラーマネジメントモニターを使いましょう。
クリエイティブ性能の検証

ここからはパソコンに負荷のかかるクリエイティブ用途についてご紹介します。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopを試しました。
写真や画像のトリミング、色味を調整するくらいならサクサクと動かせます。
ただ、画面が小さいので作業しづらいです。
ちょっとした作業ならまだしも、がっつりPhotoshopを使うときは外付けのモニターにつなげたくなります。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
使用したのは有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚で、書き出しにかかった時間は4分31秒。
主なCPUと結果を比較したグラフはこちら。

Lightroomの書き出しは以下の条件で統一しています。
画像形式:JPEG
画質:100
カラースペース:sRGB
画像のサイズ:未調整(撮影データそのまま)
解像度:350
メタデータ:すべてのメタデータ(人物情報や撮影場所の情報は削除)
飛びぬけて速くはないものの、5分とかからず書き出せるなら合格点でしょう。
Lightroomの書き出しは高性能なCPUほど速くなるため、ハイエンドクラスのパソコンだと2分弱で書き出しが終わります。
Premiere pro

Premiere Proで動画編集も試してみました。
不要なシーンをカットしたり、テロップや効果音を付ける程度ならとくに問題なく動かせます。
ただし、Photoshopと同じく画面が小さいために各種パネルの操作がしづらいです。
さらにPremiere Proの推奨環境はメモリ16GB以上、4K動画も扱うとなるとメモリ32GB以上。
毎日のようにノートパソコンで動画を編集する方は、もう少し大型かつハイスペックなマシンがおすすめです。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるか検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264 Youtube 1080p FHD | 13:45 |
---|---|
H.264 Youtube 2160p 4K UHD | 17:28 |
グラフィックスにMX250を搭載しているからでしょうか、薄型ノートパソコンとしてはかなり優秀です。
一般的な薄型ノートパソコンの場合、4K動画の書き出しに1時間以上かかることもあります。
フルHD解像度の動画なら、書き出しはもっと速くなります。
Illustrator

最後にIllustratorも動かしてみました。
ちょっとしたロゴを作ったり、名刺の印刷データを整えたりする程度ならサクサク動かせます。
ファイルサイズが数GBを超えるようなデータを扱うときは、さすがに重くなる場面がありそうです。
ゲーム用途の性能チェック

ゲーム用途に最適化されたパソコンではありませんが、検証のために動かしてみました。
ベンチマーク結果
MMORPGの定番ベンチマークソフトを走らせたところ、FF14とドラクエXはフルHD解像度で快適に動かせるようです。
試しにFF15のベンチマークソフトも走らせてみましたが、軽量品質で「重い」という結果だったので諦めたほうがよいでしょう。
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 3303(やや快適) |
---|---|
高品質 | 4831(快適) |
標準品質 | 7365(非常に快適) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 10117(すごく快適) |
---|---|
標準品質 | 10673(すごく快適) |
低品質 | 13840(すごく快適) |
軽いゲームをプレイ
ベンチマークソフトを走らせるだけではなく、Steamで購入したゲームを実際にプレイしてみました。
軽めのゲームなら快適に遊べます。
ロックマンクラシックコレクション

ロックマンのようなレトロゲームなら、画面がカクつくこともなくスムーズに遊べました。
ただし、ファミコン時代のロックマンをキーボードで操作するのは至難の業なので、ゲーム用コントローラーの使用をおすすめします。
レトロゲームはヒマつぶしに最適です。
ロケットリーグ

ロケットリーグもかなり軽いゲームで、最高画質で平均フレームレートは90前後をキープできました。
マウスとキーボードで簡単に操作できるシンプルさと、やりこむほど面白くなる奥深さがあるため、ゲームにハマりやすい人は要注意。
時間を忘れてプレイしてしまいます。
万能で個性的なノートパソコン

今回はASUSのZenBook 14をさまざまな点から検証してみました。
持ち運びやすい薄型・軽量のノートパソコンながら、幅広い用途をこなせる万能な1台です。
多機能なタッチパッドはとくに、新しいもの好きの好奇心を刺激することでしょう。
仕事で活躍してくれるのはもちろん、軽めのゲームも動かせるのでプライベート用にもよさそうです。
「持ち運びやすくて、高性能なノートパソコンが欲しい」
「最新機能を搭載した、スタイリッシュなモデルがいい」
と考えている方は、ぜひASUS ZenBook 14を候補に入れてみてはいかがでしょうか。