Lenovoのノートパソコン、ThinkPad X390をお借りしました。
モバイル性の高い13.3型のコンパクトボディに、ExcelやWordなどの事務作業をサクサクこなせるCore i7を搭載。
大容量バッテリーも搭載で、外回りや出張の多いビジネスパーソンにぴったりなノートPCです。
このページではThinkPad X390の特徴や性能について詳しくご紹介。
仕事用に持ち運びやすい薄型・軽量ノートPCを探している方は、ぜひご覧ください。
目次リンク
Lenovo ThinkPad X390の概要

ThinkPad X390がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
ビジネス用途で文句なしの性能
薄型・軽量で持ち運びに最適
最大19時間の長時間バッテリー
指紋認証などセキュリティ面も安心
他製品と比べて価格が高め
基本的なスペックから順にご紹介します。
スペック
CPUやストレージ容量などの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-8565U |
GPU | Intel UHD Graphics 620 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | M.2 SSD 256GB |
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは4,149でした。

ExcelやWordなどの事務用途ならサクサク快適に動かせますし、写真や動画の編集などの重い作業もそれなりにこなせるスコアです。
当サイトでレビューしたLenovoのノートパソコンとスコアを比較すると以下の通り。
ThinkPad X1 Extreme | |
---|---|
ThinkPad X390 | |
Ideapad S340 | |
Ideapad S530 | |
YOGA S730 | |
ThinkBook 13s | |
Ideapad 330S |
さすがはThinkpadというべきか、IdeapadやThinkbookを大きく上回るスコアをたたき出しました。
CPU
CPUは第8世代のCore i7を搭載。
薄型ノートパソコンによく使われる、末尾に「U」を冠した省電力タイプです。
詳しいスペックはCPU-Zの結果をご覧ください。

主な薄型ノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。
Core i7-10510U | |
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Core i7-8565U | |
Core i5-8265U | |
Core i5-8200Y |
スコアだけ見ると最新世代のCore i7-10510Uには敵いません。
とはいえ事務用途として考えれば、Core i7-8565Uに不満を感じる場面はあまりないでしょう。
GPU(グラフィックス)
グラフィックスはCPU内蔵型のUHD Graphics 620。
詳しいスペックはGPU-Zの結果をご覧ください。

ベンチマーク(FireStrike)の結果は以下の通り。
Radeon Vega10 | |
---|---|
Intel UHD Graphics 620 | |
Intel UHD Graphics 600 |
UHD Graphics 620としては標準的なスコアです。
CPU内蔵型のグラフィクスは伝統的にAMDが強いです。
写真や動画編集などの用途で使うことが多いなら、CPUにAMDのRyzenを搭載したモデルもおすすめです。
ストレージ
ストレージは転送速度の速いM.2 SSDが搭載されています。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックしたところ、読込で約2,700MB/sとそこそこ高いスコアが出ました。

HDDや一般的なSSD(SATA)と比べればかなり速いので、久しぶりにパソコンを買い替える方ならパソコンの起動速度に驚くかもしれません。
それぞれの平均的な転送速度と比べると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD | |
---|---|
SSD(SATA) | |
HDD |
ハイエンドクラスのM.2 SSDなら読込速度は3,000MB/sを超えます。
ストレージ容量が心配な方は、外付けのHDDやSSDを購入したり、Dropboxなどのクラウドストレージを活用しましょう。
ラインナップ

ThinkPad X390の主なラインナップは以下の通り。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i3-8145U | 8GB | 128GB SSD | – | 103,774円〜 |
Core i5-8265U | 8GB | 256GB SSD | – | 134,673円〜 |
Core i7-8565U | 16GB | 256GB SSD | – | 137,005円〜 |
ExcelやWordなどを快適に動かしたいならCore i5以上がおすすめ。
記事執筆時点で第8世代のIntel CPU搭載モデルは国内生産(米沢生産モデル)されているようです。
第10世代のIntel CPUを搭載した最新モデルは値段が少しアップ。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i5-10210U | 8GB | 256GB SSD | – | 132,066円〜 |
Core i7-10510U | 16GB | 512GB SSD | – | 163,328円〜 |
いずれもOfficeを搭載すると値段が2~3万円ほど高くなります。
Thinkpadというブランドゆえか、全体的に価格設定は高めです。
もう少し価格を抑えたい方はIdeapadやThinkbookを候補に入れてみてください。
直販サイトのクーポン適用後の価格です。時期によって変動するため、必ず公式サイトで最新の価格をご確認ください。
在庫状況やキャンペーンを要チェック
Thinkpadは人気が高いこともあり、タイミングが悪いと在庫切れになっていることも。
モデルによって納期にも大きな差があるため、最新情報は必ず公式サイトでチェックしてください。

また、Lenovoでは常に何かしらのセールやキャンペーンを実施しています。
セールの対象モデルや値引き幅は都度変わるため、希望のパソコンを安く買えるかは運次第。
少しでもパソコンを安く買いたい方は、こまめにLenovoの公式サイトをチェックしましょう。
外観・大きさ
ここからはThinkPad X390の外観を見ていきます。


これぞThinkpadというおなじみのデザインで、天板の左上にロゴが印字されています。


仕様上の大きさは311.9 x 217mmで、A4用紙を持ち運べるビジネスバッグなら問題なく収納可能。
カフェなどの小さいテーブルはもちろん、新幹線や飛行機の座席に設置されているテーブルにも置きやすいサイズです。
分厚さはたったの約17mmと非常にスリム。
鞄に入れてもかさばりません。

パソコン単体の重量は実測で約1.1kg。
見た目以上に軽いです。
ACアダプター

ACアダプターはUSB Type-Cでパソコンと接続する、45Wのコンパクトなものが付属。

重量は実測で約250g。
バッテリー自体も仕様上の駆動時間は最大約19時間とたっぷりで、1時間で約80%まで充電できる急速充電にも対応。
使い方次第ではあるものの、事務用途がメインなら半日程度は余裕で持つでしょう。
インターフェイス
ビジネスで使いやすい各種インターフェイスがそろっています。

- USB 3.1 Gen 1 Type-C(電源と共用)
- USB 3.1 Gen 2 Type-C(Thunderbolt3)
- イーサネット拡張コネクター2
- USB 3.1 Gen 1
- HDMI
- マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
イーサネット拡張コネクター2に付属のアダプターを接続すると、有線LANも使用可能。


無線でネットにつなげる方がほとんどと思いますが、いざというときに有線がつかえるのは便利です。

- スマートカードリーダー(一部構成でのみ選択可能)
- USB 3.1 Gen1(Powered USB)
- セキュリティ・キーホール
右端のUSBポートはPowered USBに対応で、パソコンの電源がオフの状態でもスマホなどを充電可能。

背面にはSIMカードスロット&microSDメディアカードリーダーがあります。

SIMカードはnanoSIM対応でLTE非対応のモデルだと機能しないので要注意。
キーボード

キーボードは88キー(テンキーなし)の日本語配列。
バックライトの有無はモデルによって差があるため、注文時に要確認。
配列はThinkpadではおなじみですが、少しクセがあります。


右上に配置されることの多い「PrtSc」が右下に来ていたり、カーソルキーの左右斜め上に「PgUp」や「PgDn」があります。
慣れてしまえば問題ないものの、Thinkpad以外のパソコンから乗り換える方は最初苦労しそうです。

根強いファンを持つトラックポイント。
タイピングの位置から手を動かさずにカーソルを動かせるため、一度慣れてしまうとほかのノートパソコンは使えなくなるという声もあります。

タッチパッドは分離式。
トラックポイントを操作しながらクリックしやすいように、左右のボタンが上部に配置されています。
ディスプレイ

ディスプレイは13.3型のフルHD(1,920×1,080)解像度で、マットな質感のノングレア(非光沢)仕様。
蛍光灯などが映り込みにくいため、長時間作業しても目が疲れにくいのは便利。
今回お借りしたモデルは発色がきれいで視野角も広いIPSパネルが使われていますが、一部モデルはTNパネルが使われています。
また、タッチパネルに対応したモデルもあるため、注文時にディスプレイの仕様をよく確認しましょう。


Webカメラには物理的に映像を遮断できるThinkShutterを搭載。
マスキングテープなどを張ってカメラを隠す人もいますが、シャッターを閉じてしまえばセキュリティ面も安心です。

ディスプレイは最大で約180度開きます。
会議や打ち合わせなど、複数人でパソコンをのぞき込むような場面で便利です。
sRGB比 約100%の色域


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:99.4%
- AdobeRGB比:74.9%
想像以上に色域が広くて驚きました。
Web用途の写真編集や画像加工など、ちょっとしたデザイン業務ならそれなりにこなせそうです。
ガンマカーブに多少の乱れがあるので、色にこだわるなら事前のキャリブレーションは必須です。
クリエイティブ性能の検証

ここからはパソコンに負荷のかかるクリエイティブ用途の検証結果についてご紹介します。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopを試しました。
画像のトリミングや色味調整など、軽めの作業ならサクサク動かせます。
各種フィルターを試してみましたが、いずれも数秒で処理が完了。
ただし、画面が13.3型と小さいため、何十枚とレイヤーを重ねるような作業はやりづらいです。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
使用したのは有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚で、書き出しにかかった時間は5分6秒。
主なノートパソコン用CPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-10510U | |
---|---|
Core i7-8565U | |
Core i5-8265U | |
Core i5-8200Y |
最新世代のCore i7-10510Uにはさすがに敵いませんが、薄型ノートPCとしてはまずまずの速さ。
実用上はほとんど問題ないでしょう。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
Premiere pro

Premiere Proで動画編集も試してみました。
不要なシーンをカットしたり、テロップや効果音を付ける程度ならそれなりに動かせます。
今回お借りしたモデルはCore i7にメモリも16GB搭載されているため、重い作業でなければ問題ないでしょう。
ただ、Photoshopと同様に13.3型のディスプレイでPremiere Proを動かすのはしんどいです。
動画を編集する機会が多い方は、外付けのモニターにつなげたほうが効率が上がります。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるか検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264 Youtube 1080p FHD | 37:40 |
---|---|
H.264 Youtube 2160p 4K UHD | 41:14 |
薄型ノートパソコンとしては平均よりちょっと速いくらい。
ハイスペックPCならもっと速くなるため、毎日のように動画を作る方はクリエイター向けのPCがおすすめ。
Illustrator

最後にIllustratorも動かしてみました。
ちょっとしたロゴを作ったり、名刺の印刷データを整えたりする程度ならサクサク動かせます。
ゲーム用途の性能チェック

ゲーム用のパソコンではありませんが、性能チェックのために動かしてみました。
ベンチマーク結果
MMORPGの定番ベンチマークソフトを走らせたところ、FF14は標準品質ならギリギリ動かせるようです。
ドラクエXは最高品質でもそれなりに動かせる模様。
薄型ノートパソコンとしてはなかなか優秀な結果です。
最新パソコンゲームを高画質でサクサク動かしたいならゲーミングパソコンを買いましょう。
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 1077(設定変更が必要) |
---|---|
高品質 | 1580(設定変更を推奨) |
標準品質 | 2233(普通) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 4038(普通) |
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標準品質 | 5024(快適) |
低品質 | 6398(快適) |
ThinkPad X390のまとめ

最後にもう一度ThinkPad X390の特徴をおさらいします。
ビジネス用途で文句なしの性能
薄型・軽量で持ち運びに最適
最大19時間の長時間バッテリー
指紋認証などセキュリティ面も安心
他製品と比べて価格が高め
一般的なビジネス用途なら不満を感じることはほぼなさそうなほど、完成度の高いノートパソコンだと感じました。
LightroomやPremiere proなどのクリエイティブ用途もサックサクとはいえませんが、十分使えるレベル。
外回りや出張が多い方をはじめ、コンパクトなハイスペックPCを探している方は、ThinkPad X390を候補に入れてみてはいかがでしょうか。
