マイクロソフトが販売する2in1ノートPC、Surface Pro 7(Core i7搭載モデル)をお借りしたので特徴や性能について詳しくご紹介します。
A4用紙とほぼ同じ大きさの薄型・軽量ボディに、ハイスペックCPUと大容量メモリを搭載。
仕事はもちろんプライベートでも活躍する、おしゃれなノートPCを探している方は、ぜひご覧ください。
Surface Pro 7の特徴

Surface Pro 7がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
万能に使えるハイスペックPC
A4用紙とほぼ同じ大きさ
鮮やかで見やすい広色域モニター
イラスト用途でも非常に快適
スペックだけ考えると割高
インターフェイスが最小限
基本的なスペックから順にご紹介します。
スペック
CPUやストレージ容量など、お借りしたパソコンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-1065G7 |
GPU | Iris Plus Graphics |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 256GB NVMe M.2 SSD |
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは4,188でした。

Digital Content Creation(動画や写真の編集など)のスコアはあまり高くないものの、ExcelやWordなどの事務仕事はサクサクこなせるスコアです。
CPU
搭載されているCPUはIntelのCore i7-1065G7。
4コア8スレッドでプロセッサー動作周波数は1.30GHz(最大3.9GHz)、TDP(CPUの最大消費電力は15Wと省電力。
詳しいスペック面は、CPU-Zの結果をご覧ください。

主なノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。
Core i7-10750H | |
---|---|
Core i7-1065G7 | |
Core i7-10810U | |
Core i5-10210U |
ゲーミングノートなどのハイスペックノートPCに搭載される、末尾に「H」を冠するモデルには敵いませんが、薄型ノートPC向けのCPUとしてはなかなかのハイスコアです。
GPU(グラフィックス)
GPUはCPU内蔵型のIris Plus Graphics。

ベンチマーク(Fire Strike)のスコアを比較すると以下の通り。
AMD Radeon Graphics | |
---|---|
Intel Iris Plus Graphics | |
AMD Radeon Vega10 | |
Intel UHD Graphics |
薄型ノートPCとして考えると、そこそこのスコアです。
CPU内蔵型のGPUは、伝統的にAMDが強いです。
ストレージ
ストレージはNVMe M.2 SSDを搭載。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックしたところ、読み込みで約1,926MB/sとまずまずのスコアでした。

書き込みは速度が落ちていますが、実用上気になる場面はほとんどないでしょう。
ラインナップ
Surface Pro 7はCPUとメモリ、ストレージによって値段が大きく変わります。
主なスペックと価格をまとめました。
CPU | メモリ | ストレージ | 価格(税別) |
---|---|---|---|
Core i3 | 4GB | 128GB | 109,780円〜 |
Core i5 | 8GB | 128GB | 131,780円〜 |
Core i5 | 8GB | 256GB | 153,780円〜 |
Core i5 | 16GB | 256GB | 193,380円〜 |
Core i7 | 16GB | 256GB | 204,380円〜 |
Core i7 | 16GB | 512GB | 247,280円〜 |
Core i7 | 16GB | 1TB | 295,680円〜 |
Amazonで買い物をしたり、Netflixで動画を見る程度の用途なら、Core i3搭載モデルで十分快適に使えます。
ExcelやWordを使ったり、事務仕事がメインならCore i5以上がおすすめ。
タイプカバーとペンは別売りで、それぞれ価格は以下の通り。

18,040円~

12,980円
ペンはともかく、タイプカバーはほぼ必須といえるアイテム。
アクセサリにかかる費用も考えて、最適な1台を選びましょう。
貸出機のため、ペンやタイプカバーにシールが貼ってあります。
まとめ買いセットがお得
Microsoft Storeでは、Surface Pro 7本体と同時購入で、タイプカバーやペン、マウスなどのアクセサリが最大40%OFFになる限定セットが販売中。
量販店でもSurface Pro 7は買えますが、タイプカバーなども購入されるならMicrosoft Storeがお得です。
デザイン・大きさ

ここからはSurface Pro 7の外観を見ていきます。
本体サイズは292×201mmで、A4用紙(297×210mm)とほぼ同じ大きさ。
分厚さもたったの8.5mmしかないので、ノート感覚で持ち運べます。


Surface Pro 7単体は、タブレットとして使用可能。
今回はSurface Pro Signature タイプカバー(ポピーレッド)もお借りしたので、合わせてご紹介します。


タイプカバーは別売りですが、ノートPCとして使うことを想定しているなら購入はマスト。


タブレットのように使うつもりでも、持ち運ぶ際に画面を保護できるので、タイプカバーの購入をおすすめします。


立てかける際は背面のスタンドを使用。
何とも貧弱に見えますが、見た目以上にしっかりしています。

タイプカバーはマグネット式になっていて、コネクタを近づけるだけでビタっと固定されます。


Surface Pro 7単体の重量は実測で約780g、タイプカバーをつけると約1kgでした。
搭載されているスペックを考えると、非常に軽く感じます。
ACアダプター

ACアダプターはとてもコンパクト。
これだけ小さいと持ち歩くときも苦になりません。

USBポートがついているため、スマホなどの充電に使えるのも便利。

ACアダプター単体の重さは実測で約300gでした。
仕様上のバッテリー駆動時間は最大10.5時間とたっぷりですが、バッテリーの持ち方はパソコンの使い方次第。
長時間外出するときは、ACアダプターも一緒に持ち歩くことをおすすめします。
インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。

- USB Type-C
- USB Type-A
USB Type-Cは給電に非対応でした。

- イヤホンジャック
- 電源
- ボリューム

- Surface Connect ポート
- microSDXC カードリーダー
ACアダプターはSurface Connect ポートにつなげて使用。
SDカードを読み込みたい場合は、別途カードリーダーをつなげる必要があります。
無線LANはWi-Fi6、Bluetooth5.0に対応。

Webカメラも両面に搭載。
背面は8MPのオートフォーカス機能付きカメラで、表面は5MPと画素数が少なめ。
いずれも1080p、フルHDでの撮影に対応しているので、Web会議などで活躍します。
薄型ノートPCの宿命ですが、インターフェイスは最小限のものしかありません。
用途に合わせてUSBハブなどを用意しましょう。
キー配列

タイプカバーのキー配列はテンキーレスタイプ。
配列のクセも少なく、強めにタイプするとグラつく感じはあるものの、ポコポコと軽い打鍵感で想像以上に打ちやすいです。
タブレット用の薄型キーボードはグニグニとした打鍵感のものも多いですが、さすがは約2万円の純正品というべきか、気持ちよくタイピングできます。

タッチパッドも搭載で、一般的なノートPCと同じように操作ができます。

この薄さでバックライトを搭載しているのも正直驚きました。
輝度はそれなりですが、暗い場所で操作するときもミスタイプを防げます。
ディスプレイ

12.3インチのPixelSenseディスプレイで、解像度は2,736×1,824とフルHD(1,920×1,080)より高め。
縦横比も3:2と、一般的なノートPC(16:9)と比べると縦長です。
筆者の勝手な推測ですが、A4用紙の縦横比に近づけたのではと思われます。
10点タッチ対応で筆圧検知にも対応、別売りのペンはもちろん指で操作することも可能です。
最近はナローベゼル(狭額縁)のノートPCが増えてきているため、ベゼルが太めなのは少々気になるポイント。

光沢(グレア)タイプは好みが分かれそうなポイント。
電源OFFの状態だと、鏡のようにくっきりと映り込みます。
写真や動画はきれいに表示できますが、使用環境によっては室内灯などが映り込んでしまうため、ストレスを感じる場面が増えます。
反射が気になる方は、ノングレアタイプの保護シートを別途買いましょう。
sRGBカバー率98%の広色域


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGBカバー率:98.1%
- AdobeRGBカバー率:72.8%
薄型・軽量ノートPCとしては非常に広い色域です。
肉眼で見ても写真や映像がとてもきれいなので、ちょっとしたデザイン業務なら十分使えるでしょう。

ちなみにカラープロファイルは、sRGBからエンハンスに変更も可能です。
エンハンスはiPhoneなどの色合い(Display P3)に近づけたプロファイルで、若干コントラストが高くなります。
動画などを楽しむならエンハンスでもいいと思いますが、イラストや画像加工など、色を扱う作業ではsRGBがおすすめです。
イラストやゲーム性能の検証

イラストやゲーム用途の性能もチェックしました。
AdobeのCreative Cloudは何度試してもエラーでインストールできず、未検証です。
イラスト・漫画制作

専用ペンでCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)を試したところ、動作もサクサクで非常に快適でした。
今まで筆者は「イラスト用途はiPad Proが最強」と思っていましたが、同等以上の書き心地です。
筆圧も適切に検知しますし、ペン先のラグも体感ではほぼゼロ。
「タブレットでイラストを描いてみたいけど、iOSはちょっと・・・」
という方にSurface Pro 7はドンピシャにハマりそう。

ちなみにペンは、本体側面にマグネットでくっつけることが可能。
ペンだけで1万円以上しますから、紛失を防ぐためにも有効活用しましょう。
ゲームのベンチマーク
パソコンの負荷が軽いベンチマークソフトを走らせたところ、ドラクエXのような極めて軽いゲームなら、それなりに動かせるようです。
FF14は標準品質ならギリギリ動かせるかもしれませんが、どうしても動かしたいなら解像度をフルHD以下に落としたほうがよいでしょう。
フォートナイトのような3Dゲームをサクサク動かせるだけのパワーはないので、本格的にゲームがしたい方は素直にゲーミングパソコンを買ってください。
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 1370(設定変更が必要) |
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高品質 | 1959(設定変更を推奨) |
標準品質 | 3031(やや快適) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 5887(快適) |
---|---|
標準品質 | 6967(快適) |
低品質 | 8260(とても快適) |
価格相応の完成度の高さ

最後にもう一度Surface Pro 7の特徴をおさらいします。
万能に使えるハイスペックPC
A4用紙とほぼ同じ大きさ
鮮やかで見やすい広色域モニター
イラスト用途でも非常に快適
スペックだけ考えると割高
インターフェイスが最小限
筆者は今回はじめてSurfaceシリーズを触ったのですが、とても完成度の高い2in1ノートPCだと感じました。
他社のノートPCとスペックだけで比較すると割高感は否めないものの、サイズ感やデザイン、使い心地を考えれば納得感があります。
サブPCとしてはもちろん、Core i5以上ならメインPCにもなりえます。
イラストが好きな方なら簡易的な液タブとしても使えますし、幅広い用途で活躍するでしょう。
毎日気軽に持ち運べる、ハイスペックな薄型・軽量ノートPCを探している方は、Surface Pro 7を候補に入れてみてはいかがでしょうか。