マウスコンピューターが販売するノートパソコン、mouse X5シリーズをお借りしました。
存在感のある赤い天板とCPUにはAMDのRyzenを搭載。
薄くて軽いボディでありながら、ExcelやWordなどの事務作業はもちろん幅広い用途で使える1台です。
今回はmouse X5シリーズの実力を、あらゆる用途で検証してみました。
10万円前後で買える便利なノートパソコンを探している方は、ぜひご覧ください。
目次リンク
mouse X5-Bの特徴

mouse X5-Bがどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
CPUに最新世代のRyzenを搭載
持ち運びやすい薄型軽量ボディ
約15.4時間の長時間バッテリー
軽いゲームも動かせるGPU性能
クリエイティブ用途は少々重い
基本的なスペックから順にご紹介します。
スペック
CPUやストレージ容量など、お借りしたパソコンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen5 3500U |
GPU | Radeon Vega8 Graphics |
メモリ | 8GB PC4-19200 |
ストレージ | M.2 SSD 256GB |
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは3,215でした。

Digital Content Creation(動画や写真の編集など)のスコアは低めですが、その他のスコアはなかなか優秀です。
ExcelやWordなどの事務用途で幅広く活躍します。
当サイトでレビューしたマウスコンピューターのノートPCのスコアを比較すると以下の通り。
m-Book W | |
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m-Book K | |
m-Book N | |
mouse X4-B | |
mouse X4-i7 | |
mouse X5-B |
ExcelやWordなどの事務作業をサクサク快適にしたいなら、PCmark 10のスコアは3,000以上がひとつの目安。
写真や動画編集など、幅広い用途でサクサク快適な動作を求めるなら、少しでもスコアの高いモデルがおすすめです。
CPU
CPUは最新世代のノートパソコン用Ryzenを搭載。
詳しいスペック面は、CPU-Zの結果をご覧ください。

TDP(CPUの消費電力)は15Wと省電力ながら、4コア8スレッドでプロセッサー動作周波数は2.10GHzと底力があります。
主なノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。
Core i7-8565U | |
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Ryzen7 3700U | |
Ryzen5 3500U | |
Core i5-8265U |
GPU(グラフィックス)
GPUはCPUに内蔵されたRadeon Vega8 Graphics。
GPU-Zの情報は以下の通り。

ベンチマーク(Fire Strike)のスコアをグラフにまとめました。
GeForce GTX1050 | |
---|---|
GeForce MX250 | |
Radeon Vega8 | |
Intel UHD Graphics 620 |
CPU内蔵型のGPUとして考えると、なかなか優秀なスコアです。
とはいえ最新パソコンゲームをサクサク動かせるほどのパワーはありません。
ストレージ
ストレージはM.2 SSDが1台搭載されています。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックした結果がこちら。

読み込み速度が約490MB/sと、あまりスコアが伸びませんでした。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD | |
---|---|
SSD(SATA) | |
HDD |
HDD(ハードディスク)に比べれば十分速いものの、もう少し頑張ってほしいところ。
読み込み速度が3,000MB/sを超えるM.2 SSD(256GB)は、+5,800円(税別)でカスタマイズできます。
パソコンの起動やファイルの読み込みなど、少しでも時間を短縮したい方はM.2 SSDのアップグレードがおすすめ。
外観・大きさ
ここからはmouse X5-Bの外観を見ていきます。


黒や白、シルバーといった地味な色のノートパソコンが多いなか、鮮やかな赤い天板は新鮮。
ギラギラした赤ではなく、マットな質感で高級感があります。
チーズのロゴもかわいいです。


仕様上の大きさは幅356mm×奥行き233mm×高さ17.9mm(突起部含まず)。
一般的なビジネスバッグなら問題なく収納できますし、小さめのリュックなどでも楽々持ち運べるサイズ。
底面はパソコン内部の熱を逃がすために一部メッシュ状になっています。

重量は実測で約1.4kgでした。
15.6型のノートパソコンとしては、かなり軽く感じます。
ACアダプター

ACアダプターは65Wのコンパクトなものが付属。

ACアダプター単体の重量は約370g。
パソコンを毎日持ち歩く人も、これだけ小さいACアダプターなら苦になりません。
バッテリーの駆動時間は約15.4時間とかなりの大容量。
電力をたくさん消費する重い作業をしなければ、丸一日バッテリーだけで持ちそう。
ラインナップ
mouse X5-BはOfficeの有無で価格が変わります。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Ryzen5 3500U | 8GB | 256GB M.2 SSD | × | 79,800円〜 |
Ryzen5 3500U | 8GB | 256GB M.2 SSD | ○ | 99,800円〜 |
メモリやストレージはカスタマイズが可能。
動画や写真の編集などのクリエイティブ用途で使う頻度が多いなら、メモリは16GBがおすすめ。
+7,800円(税別)でメモリを8GB→16GBにアップグレードできます。
事務用途がメインならメモリは8GBで十分です。
記載している価格および仕様は記事執筆時点のものです。
セールやキャンペーンを要チェック

マウスコンピューターでは定期的にセールや各種キャンペーンを開催しています。
人気モデルが大幅に値引きされたり、非常にお買い得です。
ただし、希望に合ったパソコンが安くなっているかは運次第。
パソコンの購入を検討している方は、こまめに公式サイトをチェックしましょう。
インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。

- 電源
- HDMI
- USB3.0
- USB3.0 Type-C

- セキュリティスロット
- LAN
- USB2.0
- USB3.0
- イヤホン
- microSDカードリーダー
カードリーダーはmicroSDカードに対応。
無線でインターネットにつなげる方がほとんどと思いますが、有線LANも使えます。

背面に端子類は何もありません。
キーボード

キーボードはテンキーのない88キー日本語配列。
キーピッチは実測で約18mmと標準的で、キーストロークは約1.4mmとしっかりめ。

エンターキーの右側には、Excel作業などで役立つ「Pgup」や「End」などのキーがあります。
頻繁に使うことはないものの、電源ボタンが小さいので少し押しづらい。

タッチパッドは一体型。
何の違和感もなく、スムーズに操作できます。

Fnキーだけデザインが少しちがうのが気になりました。

バックライトも搭載されているため、暗い場所で作業するときもミスタイプを減らせます。
色や発光パターンを変えることはできません。
ディスプレイ

ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)解像度。
ふちの薄いナローベゼルに加えて、蛍光灯などが映り込みにくいノングレア(つや消し)仕様なのでとても見やすいです。
タッチパネルには非対応。

ディスプレイはここまで開きます。
180度完全に開くことはできません。
色域は十分広い


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:90.7%
- AdobeRGB比:70.1%
薄型ノートパソコンとしては色域はかなり広いです。
WebデザインやDTPなど、厳密な色管理が求められる業務で使うのはさすがに厳しいものの、一般的な用途なら十分優秀です。
クリエイティブ性能の検証

ここからはパソコンに負荷のかかる各種クリエイティブ用途で、mouse X5-Bの性能を検証しました。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopを試しました。
画像のトリミングや色味調整など、軽めの作業ならサクサク動かせます。
何十枚もレイヤーを重ねるようなレタッチなどは、さすがに重くなりそうです。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
使用したのは有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚で、書き出しにかかった時間は7分58秒。
主なノートパソコン用CPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-8565U | |
---|---|
Core i5-8265U | |
Ryzen7 3700U | |
Ryzen5 3500U |
何度か試してみたものの、スコアがいまいち伸びません。
デスクトップパソコン用の第3世代Ryzenは書き出し速度が恐ろしく速いのですが、ノートパソコン用RyzenはLightroomと相性があまりよくないのかも。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
Premiere pro

Premiere Proで動画編集も試してみました。
不要なシーンをカットしたり、テロップや効果音を付ける程度なら問題なく動かせます。
PhotoshopやLightroom以上に各種操作パネルで画面がごちゃつくため、15.6型のディスプレイも見やすくて便利。
毎日のように動画を編集する方は、メモリ8GB→16GBへのアップグレードがおすすめ。
After effectで細かい演出を作りこんだり、4K動画の編集なども考えていくとなると、さすがにパワー不足になりそうです。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるか検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264 Youtube 1080p FHD | 42:43 |
---|---|
H.264 Youtube 2160p 4K UHD | 49:21 |
4K動画の書き出しはさすがに時間がかかりました。
動画の書き出し中はほかの作業も重くなるため、休憩中などパソコンから離れるタイミングに書き出すのがおすすめ。
Illustrator

最後にIllustratorも動かしてみました。
ちょっとしたロゴを作ったり、名刺の印刷データを整えたりする程度ならサクサク動かせます。
ファイルサイズが数GBを超えるようなデータを扱うのは厳しそう。
ゲーム用途の性能チェック

ゲーム用途のパソコンではありませんが、参考までにベンチマークのスコアをご紹介します。
ベンチマーク結果
まずは定番のベンチマークソフトを走らせたところ、FF14は標準品質ならギリギリ動かせそうです。
ドラクエXは最高画質で「普通」、低品質なら「快適」という結果に。
かなり軽めのゲームならスムーズに動かせそうです。
本格的にパソコンゲームがしたい方は、ゲーミングパソコンを買いましょう。
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 1210(設定変更が必要) |
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高品質 | 1793(設定変更を推奨) |
標準品質 | 2247(普通) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 3804(普通) |
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標準品質 | 5128(快適) |
低品質 | 6238(快適) |
PUBG Liteの動作検証

ベンチマークを走らせるだけではなく、実際にゲームを動かしてみました。
検証で使用したのは、世界的に人気の高いバトルロイヤルゲームPUBGの軽量版「PUBG Lite」。
「最低画質」に設定したところ、平均フレームレートは58。
グラフィックが粗いため遠くの敵は視認しづらいものの、カクつくことなく遊べました。
mouse X5-BにプリインストールされているControl Centerを使うと、Windowsキーをロックして誤動作を防いだり、動作設定なども変えられます。


PUBG Liteのようなゲームで遊ぶときはハイパフォーマンスモードがおすすめです。
mouse X5-Bのまとめ

最後にもう一度mouse X5-Bの特徴をおさらいします。
CPUに最新世代のRyzenを搭載
持ち運びやすい薄型軽量ボディ
約15.4時間の長時間バッテリー
軽いゲームも動かせるGPU性能
クリエイティブ用途は少々重い
持ち運びやすいサイズで長時間バッテリーも搭載しているため、「外出先でも大きな画面で作業したい!」という方にぴったり。
ハイスペックでおしゃれなパソコンを探している方は、mouse X5-Bを候補に入れてみてください。