Lenovoのノートパソコン、Ideapad S530をお借りしました。
13.3型の薄くて軽いボディで、パソコンを持ち運ぶことが多い方をはじめ、コンパクトなパソコンが欲しい方にぴったりなモデルです。
このページでは、Ideapad S530の特徴や性能について詳しくご紹介。
近いうちにノートパソコンの買い替えを考えている方は、ぜひご覧ください。
Ideapad S530の概要

Ideapad S530がどういったパソコンなのか、基本的なスペックからご紹介します。
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは3,658でした。

ExcelやWordなどの事務作業はもちろん、写真や動画の編集といったクリエイティブ用途にも使える1台です。
Lenovoのほかのノートパソコンとスコアを比較すると以下の通り。
ThinkPad X1 Extreme | |
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Ideapad S340 | |
Ideapad S530 | |
YOGA S730 | |
Ideapad 330S |
さらに高い性能を求めるなら、ThinkPad X1 Extremeなどのハイスペックマシンが候補に入ってきます。
スペック
CPUやストレージ容量など、パソコンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64bit |
---|---|
CPU | Core i5-8265U |
GPU | Intel UHD Graphics620 |
メモリ | 8GB(LPDDR3-1866) |
ストレージ | M.2 SSD 256GB |
それぞれの項目について詳しくご説明します。
製品版とは仕様が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
CPU
CPUは第8世代のCore i5で、薄型ノートパソコンによく使われる末尾に「U」を冠したモデルです。
詳しいスペック面は、CPU-Zの結果をご覧ください。

省電力が特徴のCPUながら、4コア8スレッドと幅広い用途で活躍する実力を備えています。
主なノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。

Core i7にはさすがに敵いませんが、薄型ノートパソコン向けCPUとして考えれば悪くないスコアです。
GPU(グラフィックス)
グラフィックスはCPU内蔵型のIntel UHD Graphics620。
GPU-Zの結果は以下の通り。

事務作業やネットサーフィン、Youtubeで動画視聴などの用途であればまったく問題ない性能です。
最新パソコンゲームを動かしたり、動画編集をサクサク動かすにはパワー不足です。
ストレージ
ストレージは転送速度の速いM.2 SSDが使われていて、容量は256GB。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックしたところ、読込速度は約1,500MB/sを叩き出しました。

今までメインストレージがHDDだった方だと、目に見えてパソコンの起動が速くなります。
HDDや一般的なSSD(SATA)の平均的な転送速度と比べると、以下の通り。

ハイエンドクラスのM.2 SSDだと、転送速度は3,000MB/sを超えてきます。
「256GBではすぐにストレージが足らなくなりそう・・・」
と心配な方は外付けのHDDやSSDを購入するか、Dropboxなどのクラウドストレージを活用しましょう。
ラインナップ
Ideapad S530の主なラインナップは以下の通り。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i5-8265U | 8GB | 256GB SSD | – | 95,758円〜 |
Core i7-8565U | 8GB | 256GB SSD | – | 111,888円〜 |
Core i5-8265U | 8GB | 256GB SSD | 〇 | 120,285円〜 |
Core i7-8565U | 8GB | 256GB SSD | 〇 | 132,451円〜 |
少しでも性能を高めたいなら、Core i7搭載モデルがおすすめです。
ExcelやWordが必要な方はOffice搭載モデルを選びましょう。
直販サイトのクーポン適用後の価格です。時期によって変動するため、必ず公式サイトで最新の価格をご確認ください。
外観・大きさ
ここからはIdeapad S530の外観を見ていきます。

マットな質感のシルバーに、Lenovoの小さめロゴのみというシンプルな天板。
老若男女問わずに使えるデザインですね。
A4クリアファイルと重ねてみると、大きさはほぼ同じ。

仕様上の大きさは約308.3x211mm、一般的なビジネスバッグなら問題なく収納できます。
新幹線や飛行機など、小さめのテーブルにも置きやすいサイズです。
底面はパソコン内部の熱を逃がすために、一部メッシュ状になっています。
多少熱を帯びることはあっても、触れなくなるほど高熱になることはありません。

裏蓋は特殊なねじが使われているため、一般的なプラスドライバーで開けられない点に要注意。
メモリはオンボードタイプで後から増設できないため、裏蓋を開ける場面はほとんどないでしょう。
ACアダプター

ACアダプターは65Wの非常にコンパクトなものが付属しています。
小さくて軽いので、パソコンと一緒に持ち歩いても苦にならないでしょう。
バッテリーも仕様上の駆動時間は最大で約11.4時間と大容量。
もちろんパソコンの使い方次第でバッテリーの持ちは変わりますが、事務作業がメインなら半日程度は余裕で持ちそうです。
重量
パソコン単体の重量は実測で約1.2kg、ACアダプターが加わっても約1.5kgとかなり軽いです。


腕力に自信がない方でも、片手で楽々持ち運べる重さです。

外回りで資料をたくさん持ち歩く方や、出張が多い方もこのサイズなら使いやすいですね。
インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。
分厚さは15.2mmしかないので、かなりスリム。
まずは右側面から。

- USB3.1(Type-C:DP-out機能付き)
- USB3.0(Type-A)
- HDMI
薄型ノートパソコンの宿命ですが、インターフェイスは最小限に絞られています。

- ACアダプター
- USB3.0(Type-A)
- マイク・ヘッドホン コンボジャック
SDカードなどを読み込みたいときは外付けのカードリーダーが必要です。

背面には何もありません。
キーボード

キーボードは84キー(テンキーなし)の日本語配列。
右下には指紋認証のセンサーも搭載されています。
頻繁に押すことはないものの、右上の電源ボタンは指が大きい私には押しにくいと感じました。

エンターキー回りの配列は少々クセがあるので、慣れるまではミスタイプが発生しそうです。

タッチパッドは一体型で、サラサラとした触感でスムーズに動いてくれます。

バックライトも搭載しているので、暗い場所で作業するときも打ち間違いを防げます。

バックライトの色を変えるような機能はありません。
Dolby Audioに対応したHarman製ステレオスピーカーも搭載されていて、薄型ノートパソコンとしてはいい音が出ます。
音質にこだわる方はヘッドホンや外付けのスピーカーをつなげましょう。
キータイプ音
キータイプ音はパタパタ系。
薄型ノートパソコンなので仕方ありませんが、底打ちしている感覚が少々強いです。
30秒ほどの動画を作成したので、タッチパッドの動作とあわせてご覧ください。
ディスプレイ

ディスプレイはフルHD(1,920×1,080)解像度で、IPSパネルが使われているため視野角も広く、鮮やかな発色でとても見やすいです。
ノングレア(つや消し)仕様で、蛍光灯などの環境光が映り込みにくいのも特徴。

ディスプレイは最大で180度開きます。
ノートパソコンスタンドに立てかけるときや、会議や打ち合わせなどで活用できそうです。
ナローベゼルを採用
Ideapad S530のディスプレイはふちが狭い、ナローベゼル仕様。
実測で左右は約7mm、上部は約10mmでした。


ナローベゼルのパソコンは見た目がきれいですし、作業にも集中しやすくなります。
色域はかなり広い

i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:96.7%
- AdobeRGB比:71.8%
10万円前後のノートパソコンで比べると、色域の広さはトップクラスではないでしょうか。
とくにsRGB比はほぼ100%といってもよさそうです。
写真の編集や加工、ちょっとしたデザイン業務にも使いやすいですね。
クリエイティブ性能の検証
ここからはパソコンに負荷のかかるクリエイティブ用途についてご紹介します。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopを試しました。
写真や画像のトリミング、色味を調整するくらいならサクサクと動かせます。
ただ、画面が小さいので作業しづらいです。
ちょっとした作業ならまだしも、がっつりPhotoshopを使うときは外付けのモニターにつなげたくなります。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
使用したのは有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚で、書き出しにかかった時間は5分9秒。
主なCPUと書き出し速度を比較したグラフはこちら。

Lightroomの書き出しは以下の条件で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
あまり速くはないものの、5分ちょっとで書き出せるなら問題ないでしょう。
Lightroomの書き出しは高性能なCPUほど速くなるため、ハイエンドクラスのパソコンだと2分弱で書き出しが終わります。
Premiere pro

Premiere Proで動画編集も試したところ、立ち上げた途端に「画面が小さいよ」と注意書きが表示されました。

そのままでも動かせますが、PhotoshopやLightroom以上に表示するパネルが多くなるため、やはり外付けのモニターにつなげたいところ。
編集作業自体は、不要なシーンをカットしたり、テロップや効果音を付ける程度ならとくに問題なく動かせます。
ちなみに、Premiere Proの推奨環境はメモリ16GB以上、4K動画も扱うとなるとメモリ32GB以上。
毎日のように動画を編集する方は、もう少しハイスペックなマシンを買ったほうが快適です。
4K動画の書き出し
参考までに4K動画の書き出しにかかる時間を検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264 Youtube 1080p FHD | 32:46 |
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H.264 Youtube 2160p 4K UHD | 41:04 |
かなり時間がかかりました。
書き出し中はほかの作業も重くなるため、お風呂に入る前に書き出しをスタートさせるなど、工夫したほうがよさそうです。
Illustrator

最後にIllustratorも動かしてみました。
ちょっとしたロゴを作ったり、名刺の印刷データを整えたりする程度ならサクサク動かせます。
ファイルサイズが数GBを超えるようなデータを扱うときは、さすがに重くなる場面がありそうです。
ゲーム用途の性能チェック

ゲーム用途に最適化されたパソコンではありませんが、検証のために動かしてみました。
ベンチマーク結果
MMORPGの定番ベンチマークソフトを走らせたところ、ドラクエXはフルHD解像度でそれなりに動かせそうです。
FF14は標準品質ならどうにかなりそうですが、画質設定を上げると厳しい結果に。
やはりパソコンゲームをサクサク動かしたいなら、ゲーミングパソコンを買いましょう。
FF14 漆黒の反逆者

高品質 | 1640(設定変更を推奨) |
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標準品質 | 2222(普通) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 4828(普通) |
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標準品質 | 6097(快適) |
低品質 | 7055(とても快適) |
軽いゲームをプレイ
ベンチマークソフトを走らせるだけではなく、Steamで購入したゲームを実際にプレイしてみました。
軽めのゲームならそれなりに動かせました。
ロックマンクラシックコレクション

画面の端が多少乱れることはあるものの、問題なく遊べました。
ただし、ファミコン時代のロックマンをキーボードで操作するのは至難の業なので、ゲーム用コントローラーの使用をおすすめします。
レトロゲームはヒマつぶしに最適です。
ロケットリーグ

ロケットリーグもかなり軽いゲームですが、さすがに3Dゲームとなると重くなります。
サクサク快適とは言えませんが、カジュアルに楽しむ分には問題ありません。
1試合5分で終わるので、こちらもちょっと時間が空いたときにおすすめです。
使いやすい薄型ノートパソコン

今回はLenovoのIdeapad S530をさまざまな点から検証してみました。
10万円前後で買えるノートパソコンとして考えると、非常にコスパの高い1台ですね。
シンプルな見た目とスタンダードなスペックながら、使いやすさをとことん追求して作られています。
とくに仕事でパソコンを持ち歩くことの多い方は、薄型・軽量ボディのメリットを強く実感できることでしょう。
小さくて軽いノートパソコンを探している方は、Ideapad S530を候補に入れてみてください。
