日本HP(以下HP)が販売するノートパソコン、ENVY x360 15(AMD)をお借りしたので特徴や性能について詳しくご紹介します。
15.6型の薄型ボディにAMDの最新世代CPUを搭載、幅広い用途で活躍するハイスペックノートPCです。
仕事はもちろんプライベートでも活躍する、おしゃれでハイスペックなノートPCを探している方は、ぜひご覧ください。
ENVY x360 15(AMD)の特徴

ENVY x360 15(AMD)がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
最大17時間持つ長持ちバッテリー
鮮やかで見やすい広色域モニター
指紋認証でセキュリティも安心
仕事やプライベートで活躍する
在庫状況が非常に不安定
基本的なスペックから順にご紹介します。
スペック
CPUやストレージ容量など、お借りしたパソコンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen7 4700U |
GPU | Radeon Graphics |
メモリ | 16GB(8GB×2、3200MHz) |
ストレージ | 512GB NVMe M.2 SSD |
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは5,003でした。

Digital Content Creation(動画や写真の編集など)のスコアも高く、Excelなどの事務仕事はもちろんクリエイティブ用途でも活躍します。
CPU
CPUはAMDのRyzen7 4700Uで、8コア8スレッドでプロセッサー動作周波数は2.00GHz(最大4.1GHz)となかなかパワフル。
TDP(CPUの最大消費電力)は15Wと省電力。
詳しいスペック面は、CPU-Zの結果をご覧ください。

主なノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。
Core i7-10750H | |
---|---|
Ryzen7 4700U | |
Core i7-10510U | |
Ryzen3 4300U |
ゲーミングノートなどのハイスペックノートPCに搭載される、末尾に「H」を冠するモデルには敵いませんが、薄型ノートPCのCPUとしてはなかなかのハイスコアです。
同クラスのライバルであるCore i7-10510Uと比較すると、2倍近い差があります。
GPU(グラフィックス)
GPUはCPU内蔵型のRadeon Graphics。

最新CPUというだけあって、ベンチマーク(Fire Strike)のスコアも伸びてきています。
GTX1050 | |
---|---|
MX250 | |
Radeon Graphics | |
Intel UHD Graphics |
CPU内蔵型のGPUながら、専用GPUのMX250に迫るスコアです。
最新パソコンゲームを最高画質でサクサク動かせるほどのパワーはありませんが、写真の加工や動画編集などの用途で活躍します。
ストレージ
ストレージはNVMe M.2 SSDを搭載。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックしたところ、読み込みで約3,200MB/sと素晴らしいスコアでした。

今までSATAタイプのSSDやHDDをメインストレージとして使っていた方なら、パソコンの起動やソフトウェアの立ち上がりで、ストレージの速さを実感できるでしょう。
外観・大きさ

ここからはENVY x360 15(AMD)の外観を見ていきます。


底面は排熱のために一部メッシュ状になっています。
ケースは一般的なプラスドライバーでは開けられないので要注意。

仕様上の大きさは幅358×奥行き230×高さ18.9(最厚部)mmと、15.6型のノートPCとしてはコンパクト。

一般的なビジネスバッグなら問題なく収納できるサイズです。

パソコン単体の重量は実測で約1.8kgでした。
手に持ってみると、それなりにずっしりと重みを感じます。
ACアダプター

ACアダプターの出力は65W。
飛びぬけてコンパクトではないものの、毎日持ち歩くうえで苦にならない大きさです。

ACアダプター単体の重さは実測で約260gでした。
バッテリーの駆動時間は最大17時間で、急速充電にも対応しており、たった30分の充電で約8時間使用可能。
外回りや移動が多い方も安心です。
ラインナップ
ENVY x360 15(AMD)のラインナップは、スタンダードモデルとパフォーマンスモデルの2種類。
主なスペックと価格を表にまとめました。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Ryzen5 4500U | 8GB | 512GB M.2 SSD | × | 82,000円〜 |
Ryzen7 4700U | 16GB | 512GB M.2 SSD | × | 95,000円〜 |
ExcelやWordなどの事務仕事がメインならRyzen5 4500U搭載モデルでも十分活躍します。
処理スピードの速さを求めるなら、Ryzen7 4700U搭載モデルがおすすめ。
ただし、記事執筆時点では在庫がなくなったのか、いずれのモデルも取り扱いを停止中。
在庫の復活を待つしかありません。
最新の在庫状況は公式サイトにてご確認ください。
小さめの13.3型
「15.6型は毎日持ち歩くにはちょっと大きい・・・」
という方には少し小さめの13.3型(ENVY x360 13)がおすすめ。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Ryzen3 4300U | 8GB | 256GB M.2 SSD | × | 70,000円〜 |
Ryzen5 4500U | 8GB | 256GB M.2 SSD | × | 75,000円〜 |
Ryzen7 4700U | 16GB | 512GB M.2 SSD | × | 95,000円〜 |
主なスペックと価格は以下の通りンを据え置きで使うことが多いなら、ディスプレイは大きめのほうが効率的。
用途に合ったモデルを選んでください。

インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。

- ヘッドフォン・マイクコンボポート
- HDMI 2.0
- USB Type-A
- USB Type-C
USB Type-Cは給電や映像出力、電源OFF時のUSBチャージ機能に対応。
4K(3,840×2,160)ディスプレイにも映像を出力できます。

- SDカードスロット
- USB Type-A
- 電源コネクタ
右側面のUSB Type-Aは電源OFF時のUSBチャージ機能に対応。

背面に端子類は何もありません。

無線LANはWi-Fi6、Bluetooth5.0に対応。
インターフェイスは最小限のものしかないので、用途に合わせてUSBハブなどを別途用意する必要があります。
キーボード

キーボードはテンキーを含む配列。
今回お借りしたモデルは英字配列ですが、国内で販売されているものは基本的に日本語配列なのでご安心ください。
ポコポコ系の薄型ノートPCらしい打鍵感です。


指紋認証センサーも搭載されているため、ビジネス用途で使う方も安心。
タッチパッドは一体型で、さらさらとした質感です。

単色のバックライトも搭載しているため、暗い場所での操作もミスタイプを防げます。
ディスプレイ

ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)解像度。
グレア(光沢)仕様なので、写真や動画が鮮やかに見えます。
ただし、ディスプレイの角度によっては室内灯が映り込みやすいので要注意。

ディスプレイ上部にはWebカメラとマイクも搭載されており、zoomなどを活用したオンライン会議で活躍します。
10点タッチ対応で筆圧検知にも対応しているため、指やタッチペンで操作することも可能です。
タッチペンは付属していません。
sRGBカバー率99.9%の広色域


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGBカバー率:99.9%
- AdobeRGBカバー率:75.3%
コンパクトノートPCとしては非常に広い色域です。
肉眼で見ても写真や映像がとてもきれいなので、ちょっとしたデザイン業務なら十分使えるでしょう。
ガンマカーブには若干の乱れが見られるので、厳密な色管理が求められる業務で使うには少々厳しいかもしれません。
モードチェンジ
ENVY x360 15(AMD)は、用途に合わせて形状を柔軟に変えられます。



用途に合わせてパソコンの形状を変えられるのは便利ですが、ぐりぐり動かしていると耐久性が心配になります。
その点、ENVY x360 15(AMD)のヒンジ部分は3万2,000回以上もの可動テストをクリア。

乱暴に扱わない限り、パソコンより先にヒンジが壊れることはないでしょう。
クリエイティブ性能の検証

ここからはパソコンに負荷のかかる各種クリエイティブ用途で、ENVY x360 15(AMD)の性能を検証した結果をご紹介します。
まずはPhotoshopやIllustratorで軽めのデータを編集してみました。


重いエフェクトの処理には多少時間がかかるものの、ほとんどストレスなく動かせました。
15.6型は画面も大きく、各種クリエイティブソフトを快適に操作できます。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
使用したのは有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚で、書き出しにかかった時間は2分24秒。
主なノートパソコン用CPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-10750H | |
---|---|
Ryzen7 4700U | |
Core i7-10510U | |
Ryzen3 4300U |
薄型ノートPCとしてはトップクラスの書き出し速度です。
モニターの色域も広く、写真を撮るのが好きな方にも安心しておすすめできます。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
Premiere pro

Premiere Proで動画編集も試してみました。
Ryzen7 4700U搭載モデルはメモリが16GB搭載されているため、重いエフェクトなどを使わない限り、サクサク動かせます。
After effectで演出を作りこんだり、4K動画の編集なども考えていくとなると、メモリを32GB以上に増やしたいところですが、残念ながらメモリの増設には非対応。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるか検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264 Youtube 1080p FHD | 19:39 |
---|---|
H.264 Youtube 2160p 4K UHD | 20:43 |
一般的な薄型ノートPCだと書き出しに50分近くかかることもあるので、なかなかのスコアです。
とはいえ動画の書き出し中はほかの作業も重くなるため、休憩中などパソコンから離れるタイミングで実施することをおすすめします。
ゲーム用途の性能チェック

ゲーム用途のパソコンではありませんが、参考までにベンチマークのスコアをご紹介します。
ベンチマーク結果
パソコンの負荷が軽いベンチマークソフトを走らせたところ、FF14は最高画質でもなんとか動かせそうです。
ドラクエXはグラフィックがとても軽く、最高画質でも快適に動かせます。
出張先でMMOにログインしたいときなどに活躍するでしょう。
フォートナイトのような3Dゲームを最高画質でスムーズに動かせるだけのパワーはないので、本格的にゲームがしたい方は素直にゲーミングパソコンを買ってください。
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 2847(やや快適) |
---|---|
高品質 | 3844(快適) |
標準品質 | 5081(とても快適) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 9467(とても快適) |
---|---|
標準品質 | 11336(すごく快適) |
低品質 | 12228(すごく快適) |
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最後にもう一度HP ENVY x360 15(AMD)の特徴をおさらいします。
最大17時間持つ長持ちバッテリー
鮮やかで見やすい広色域モニター
指紋認証でセキュリティも安心
仕事やプライベートで活躍する
在庫状況が非常に不安定
10万円前後で買える薄型ノートPCとして考えると、なかなかのコスパです。
見た目もおしゃれでスペックも高いため、仕事はもちろんプライベートでも活躍するでしょう。
在庫状況が不安定なのは今後の改善を祈るしかないので、気になっている方はこまめに公式サイトをチェックしてください。
