ASUSの新型ノートパソコン VivoBook S15(M533IA)を発売に先立ってメーカーからお借りしたので特徴や性能について詳しくご紹介します。
AMDの最新世代CPUを搭載し、スリムかつコンパクトながらパワフルさを両立。
豊富なカラーバリエーションも特徴的です。
仕事はもちろんプライベートでも活躍する、おしゃれでハイスペックなノートPCを探している方は、ぜひご覧ください。
VivoBook S15(M533IA)の特徴

VivoBook S15(M533IA)がどういったパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
最新世代のRyzenを搭載
4色のカラーバリエーション
15.6型の薄型・軽量モデル
事務用途や普段使いに最適
モニターの色域がやや狭い
基本的なスペックから順にご紹介します。
スペック
CPUやストレージ容量など、お借りしたパソコンの基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Ryzen7 4700U |
GPU | Radeon Graphics |
メモリ | 16GB(DDR4-3200) |
ストレージ | M.2 SSD 1TB |
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは4,730でした。

Digital Content Creation(動画や写真の編集など)のスコアも十分高く、事務用途はもちろん幅広い用途で活躍します。
製品版とは一部仕様が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
CPU
CPUはAMDのRyzen 7 4700Uを搭載。
薄型ノートパソコンによく使われる末尾に「U」を冠したモデルです。
TDP(CPUの最大消費電力)は15Wと省電力ながら、8コア8スレッドでプロセッサー動作周波数は2.00GHz(最大4.1GHz)と非常にパワフル。
詳しいスペック面は、CPU-Zの結果をご覧ください。

主なノートパソコン用CPUと、ベンチマーク結果(CINEBENCH R15)を比較した結果は以下の通り。
Core i7-9750H | |
---|---|
Ryzen7 4700U | |
Core i7-10510U | |
Core i5-10210U |
高性能なゲーミングノートなどに搭載される、Intelの「H」を冠したモデルと肩を並べるハイスコア。
同クラスのライバルであるCore i7-10510Uと比較すると、2倍近い差があります。
ベンチマークのスコアがすべてではないものの、ここ数年のAMDの躍進はすさまじいです。
GPU(グラフィックス)
VivoBook S15のGPUはCPU内蔵型のRadeon Graphics。

さすがは最新CPUというだけあって、ベンチマーク(Fire Strike)のスコアも伸びてきています。
GTX1050 | |
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MX250 | |
Radeon Graphics | |
Intel UHD Graphics |
最新パソコンゲームを最高画質でサクサク動かせるほどのパワーはありませんが、写真の加工や動画編集などの用途で活躍します。
グラフィック性能でもIntelのスコア(UHD Graphics)と大きな差を見せつけました。
ストレージ
ストレージはNVMe M.2 SSDを1TB搭載。
転送速度をCrystal Disk Markでチェックしたところ、読み書きどちらも約1,700MB/sと標準的なスコアでした。

ハイエンドクラスのM.2 SSDだと転送速度が3,000MB/sを超えますが、1,700MB/sでも実用上はまったく問題なし。
今までSATAタイプのSSDやHDDをメインストレージとして使っていた方なら、パソコンの起動やソフトウェアの立ち上がりで、ストレージの速さを実感できるでしょう。
外観・大きさ

ここからはVivoBookの外観を見ていきます。
カラーバリエーションは全4色で、今回お借りしたのはドリーミーホワイト。

単色展開のノートPCが多い中、好みに合わせてカラーを選べるのは大きな魅力です。


仕様上の大きさは幅35.98mm×奥行き23.38mm×高さ16.1mm。

一般的なビジネスバッグなら問題なく収納できますし、小さめのリュックなどでも楽々持ち運べるサイズです。
パソコン単体の重量は実測で約1.6kg、

15.6型のノートパソコンとして考えれば、とても軽いです。
ACアダプター

ACアダプターも小さくコンパクト。
パソコンを毎日持ち歩く人でも、これだけ小さいACアダプターなら苦になりません。

ACアダプター単体の重さはたったの148gでした。
さらにバッテリーは急速充電に対応しており、49分で0%から60%まで充電が可能。
短時間でサクッと充電できるのも便利です。
バッテリーを長持ちさせるためのモードも搭載されていて、長く使えるように作られています。
スピーカー
底面にはスピーカーが搭載されています。


サウンドについてはオーディオブランドのHarman/Kardonと共同開発したシステムを搭載。

プリインストールされているソフトを使えば、音質のカスタマイズも可能です。

薄型ノートPCとしてはそこそこいい音を出しますが、サウンドにこだわる方はヘッドホンや外付けのスピーカーへの接続をおすすめします。
ラインナップ

VivoBook S15(M533IA)のラインナップは3種類。
主なスペックと価格を表にまとめました。
CPU | メモリ | ストレージ | Office | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Ryzen7 4700U | 8GB | 512GB M.2 SSD | × | 90,727円〜 |
Ryzen7 4700U | 16GB | 1TB M.2 SSD | × | 127,092円〜 |
Ryzen7 4700U | 16GB | 1TB M.2 SSD | ○ | 150,728円〜 |
メモリやストレージ、Office(Microsoft Office Home and Business 2019)の有無で価格が変わります。
Office非搭載モデルには、キングソフトのWPS Office Standard Editionが搭載。
Microsoft Officeと互換性のあるソフトなので、仕事でもそのまま使用可能。
いずれも良いお値段ですが、金額に見合った価値は十分に得られるでしょう。
インターフェイス
ここからはインターフェイスを見ていきます。

- カードリーダー(microSD)
- USB 2.0 ×2
写真や動画の取り込みでSDカードを多用する筆者としては、カードリーダーがmicroSD対応なのは少々残念なポイント。

- 電源
- HDMI
- USB 3.0
- USB 3.1 Type-C
- オーディオコンボジャック
電源やHDMIポートは左側に集中しているため、マウス操作を邪魔しにくい設計。
USB Type-Cにも対応しています。

背面に端子類は何もありません。
有線LANをつなげる端子はありませんが、無線LANは次世代通信規格のWi-Fi 6に対応。
従来のWi-Fiと比べて、高速かつ安定した通信が可能です。
キーボード

キーボードはテンキーありの日本語配列。
キーピッチは18.7mmと標準的ですが、キーストロークは約1.4mmとしっかりめ。
薄型ノートパソコンとしては、打鍵感はなかなか良いです。
エンターキーのみ、目立ちやすいカラーキーキャップが採用されています。


テンキーがあるため仕方ありませんが、上下左右のストロークキーはとても小さめ。
指が太めの方だと、慣れるまではタイプしづらいかもしれません。

タッチパッドは一体型で、指紋認証機能も搭載。
ビジネス用途でも安心して使えます。

単色のバックライトも搭載しているため、暗い場所での操作もミスタイプを防げます。
ディスプレイ

ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)解像度。
ふちの薄いナローベゼルで画面占有率は約86%と高く、視野角も170度と広いです。
ノングレア(つや消し)仕様なので、カフェや外出先でも映り込みを気にせず作業可能。

ディスプレイ上部にはWebカメラが搭載されているため、zoomなどを活用したオンライン会議で役立ちます。

ディスプレイにはRyzenのシールが貼ってありましたが、簡単にはがせるのでご安心を。
色域はあまり広くない


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:64.0%
- AdobeRGB比:47.6%
色域はあまり広くないですが、事務用途がメインならまったく問題ありません。
肉眼で見る限り、普通にきれいな画面です。
厳密な色管理を求められるデザイナーやフォトグラファーの方が業務用途で使うなら、カラーマネジメントモニターにつなげましょう。
クリエイティブ性能の検証

ここからはパソコンに負荷のかかる各種クリエイティブ用途で、VivoBook S15(M533IA)の性能を検証しました。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopを試しました。
画像のトリミングや色味調整など、軽めの作業ならサクサク動かせます。
何十枚もレイヤーを重ねるようなレタッチなどは、さすがに重くなる場面がありそうです。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
使用したのは有効画素数3,635万のニコンD810で撮影したRAWデータ100枚で、書き出しにかかった時間は2分34秒。
主なノートパソコン用CPUとスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-10750H | |
---|---|
Core i7-9750H | |
Ryzen7 4700U | |
Core i7-10510U |
Intelのノートパソコン向けハイエンドクラスCPUに迫るスコアです。
とびぬけて速くはないものの、実用上は十分なスピード。
モニターの色域が狭い点は要注意ですが、写真編集用途でも十分使えます。
Lightroomの書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
Premiere pro

Premiere Proで動画編集も試してみました。
今回お借りしたモデルはメモリ16GB搭載しているため、不要なシーンをカットしたり、テロップや効果音を付ける程度ならまったく問題なく動かせます。
PhotoshopやLightroom以上に各種操作パネルで画面がごちゃつくため、15.6型のディスプレイも見やすくて便利。
After effectで演出を作りこんだり、4K動画の編集なども考えていくとなると、さすがにパワー不足になりそう。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるか検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264 Youtube 1080p FHD | 21:11 |
---|---|
H.264 Youtube 2160p 4K UHD | 23:17 |
薄型ノートPCだと書き出しに50分近くかかることもあるので、なかなかのスコアです。
とはいえ動画の書き出し中はほかの作業も重くなるため、休憩中などパソコンから離れるタイミングで実施することをおすすめします。
Illustrator

最後にIllustratorも動かしてみました。
ちょっとしたロゴを作ったり、名刺の印刷データを整えたりする程度ならサクサク動かせます。
ファイルサイズが数GBを超えるようなデータを扱うときは、さすがに重くなりそうです。
ゲーム用途の性能チェック

ゲーム用途のパソコンではありませんが、参考までにベンチマークのスコアをご紹介します。
ベンチマーク結果
まずは定番のベンチマークソフトを走らせたところ、FF14やドラクエXは最高画質でもそこそこ動かせるようです。
さすがに最高画質では場面によってカクカクしそうですが、無理に画質を上げなければ快適にプレイできるでしょう。
グラフィックが重いFF15は軽量品質でも動作困難という結果だったので、さすがに限界はあります。
Ryzen7 4700Uのグラフィック性能が素晴らしいとはいえ、本格的にゲームがしたい方は、素直にゲーミングパソコンを買いましょう。
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 2387(普通) |
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高品質 | 3083(やや快適) |
標準品質 | 4046(快適) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 7502(とても快適) |
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標準品質 | 9158(とても快適) |
低品質 | 9462(とても快適) |
VivoBook S15(M533IA)のまとめ

最後にもう一度ASUSのVivoBook S15(M533IA)の特徴をおさらいします。
最新世代のRyzenを搭載
4色のカラーバリエーション
15.6型の薄型・軽量モデル
事務用途や普段使いに最適
モニターの色域がやや狭い
一般的なビジネスバッグで持ち運べるサイズで、ExcelやWordなどの事務作業はもちろん写真や動画などの編集でも活躍するハイスペックマシンです。
カラーバリエーションも豊富で、自宅のインテリアや普段のコーディネイトと合わせられるのも大きな魅力。
新型VivoBookが気になる方は、ぜひ量販店やASUS Storeをチェックしてみてください。
